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June 19, 2006

印象と先入観

 「ブラームスはもったりしてるから嫌い。」そう言い続けて25年が経っている。モルトを寝かせていればかなりのビンテージなのだが、脳みそは寝かせていても黴が生えるだけ。。

なぜブラームスを聴かなくなったのか?明確な理由は無い。むしろ、きちんと聴く前からブラームスは嫌いだったんじゃないかと思う。なぜに?
もちろん舞曲好きのおいらとしてはハンガリー舞曲なんかも大好きだったりする。だから「ブラームスが嫌い」なわけじゃなくて、正確には「ブラームスの交響曲が嫌い」なのだ。再び、なぜに?

以前、音楽漫画についてのコメントを書いた。たぶんその中の一冊に、主人公が「ブラームスはもったりしているから嫌いだ」って記述があったのだろう。いや、そう書いてあったと記憶してる。
つまり、ブラームスをまともに聴く前に読んだ漫画の、そのたった1フレーズが先入観としておいらの少ない脳みそのしわの間に入り込んだようだ。

いま聴いているのは岩城宏之=オーケストラ・アンサンブル金沢のブラームス4番。悲しいほど美しい1楽章の旋律。それに絡んで行く木管の優しさ。それらを包み込む金管の雄大さ。たしかにもったりする印象はある。
2楽章も同様。ただし、これも「もったり」と言うより「雄大」と表現した方が良さそうな気がする。3楽章以下も同様。。
俺は漫画のたった1フレーズのために、これほど美しい旋律を25年間も聴かずに過ごしてきたのか。

もちろん、それを後悔はしていない。ブラームスを聴かなかった代わりに、何か他の音楽を耳に放り込んでいたに違いないから。

今、あらためて聴くブラームス。この演奏がブラームスの名演とは限らない。しかし、少なくとも小沢征爾=斎藤記念オーケストラのブラームス1番を聴いてもブラームスを好きになれなかった俺が、この演奏を聞いて「ブラームスをまじめに聴いてみよう」と思ったのは、けっして偶然ではないと思う。

おいらには自分が解ってるだけでも相当な先入観をもっている。その一つに現代曲もある。いつかこれも吹き飛ぶ日がくるのだろうか。
少なくとも岩城宏之=オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏で数曲聴いて「嫌だ」とは思わなかった。きっとこれも偶然ではないのだろう。

もちろん「故郷のオケの演奏」と言う新しい先入観が刷り込まれている可能性は否定しない。

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