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November 28, 2006

悲しいほど美しい

 ありふれたキャッチコピーなんだけど、それ以外に感想が思い浮かばなかった。昨日買ってきたCDの中の一曲。

ラフマニノフ作曲「ヴォカリーズ:作品34の14」
ピアノ:ヴラディーミル・アシュケナージ

アルバムは2005年に発売の「楽興の時〜ラフマニノフ:ピアノ作品集」
ラフマニノフのピアノ小品を聴きたかったので、いつものタワレコをプラプラしてたら見つけた。価格は2548円。
大好きなピアニストであるアシュケナージの作品と言う事も有り、見つけたと同時にレジに向かっていた。

おいらはラフマニノフって作曲家について、ほとんど知らない。なんとなく後期ロマン派の作曲家なんだろうな〜ってことと、技巧はのピアニストだったらしいって記事を読んだ程度。
それこそ、「のだめカンタービレ」を読んで有名なピアノ協奏曲第2番を聴くまでは、まったく知識が無かった。

 そのピアノ協奏曲をアシュケナージのピアノで聴き、これぞ最高傑作!との勢いで聴きまくった。その後はラフマニノフの交響曲全集を今度はアシュケナージが指揮を振った作品で購入。もちろん、ピアノ協奏曲全集も買った。
どれも素晴らしい作品だと思うし、一つ一つの音からこぼれ出る優しさや悲しさが実にロマンチックなのだ。
その反面、明確な主題を見つけられず、実際にピアノ協奏曲2番以外は大きな特徴も今だに見つけられていない。これは単なるおいらの感性の稚拙さと勉強不足以外にほかならないのだが。

そんななか買ってきたこのピアノ作品集は目から鱗どころか、眼鏡からレンズが落ちた。

さすが自信がピアニストと言う事も有り、驚くほど難易度が高い作品ばかりだ。しかし、それが技巧だけに走らずに、なんともメロディアスなのだ。リストの超越技巧エチュードほどではないが、きっと相当な難易度なんだろう。

それなのに、アシュケナージの大胆なまでの歌い方。指揮者や各種音楽監督として多忙な毎日を送っているはずのマエストロが、何も今更ピアノを弾く必要も無いはずなのに。あえてピアノで新録音を行ったこの作品、魂が抜けているはずがない。
今まで聴いたマエストロのピアノの中でも群を抜く作品である事は間違いないだろう。

いったいマエストロは何を込めてこの作品集を録音したのだろうか。

そして、このアルバムの最後の曲がヴォカリーズ。
調べたところ、ヴォカリーズとは「歌詞を伴わない歌唱法」のことらしい。スキャットと同意語なのだろうか。
数々の作曲家が作品を残しているらしい。きっとこの作品もそんな中の一つなのだろう。
と言う事は、この曲を歌っているものもあるのだろう。一度聴いてみたい気がする。

ただ、この作品からあふれでるマエストロの思い、何が込められているのかはわからないが、鬼気迫るものがある。
このアルバムすべてから伝わるマエストロの情。ピアノへの、人への、そして曲への。

もし、「音楽に溺れたい」って思う人がいたら、ぜひ聴いてみて欲しい。きっと「悲しいほど美しい」、そんな言葉が自然と出てくるに違いない。

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